2年目3年目が一番辞めたかった。

社会人のこと

一年目が終わった時、
正直ちょっと安心してた。

やっと新人終わる。
これで少しは楽になるかもって。

一年耐えたら、
少しは自信つくと思ってた。

でも全然だった。

むしろ、
2年目になってからの方が苦しかった。

一年目は、
できなくて当たり前だった。

先輩も、
『新人やしね』
って空気があった。

フォローも入る。
ダブルチェックもある。

でも2年目からは違う。

『もうできるよね?』

が急に増える。

先輩のフォローはほとんどなし。

重症患者も普通につく。
『なにこれ?』ってこともたくさんある。

でも、
1人でこなさないといけない。

緊急入院の振り分けも、
大体2年目。

勤務表見た瞬間、
『あ、今日やばい』
ってわかる。

受け持ち見ただけで、
出勤前からしんどい。

家出る前から疲れてる。

しかも2年目って、
一番断れない。

『はい、できます』
って言うしかない。

本当は不安なのに。

本当は、
『まだわかりません』
って言いたいのに。

“2年目”ってだけで、
できる側に入れられる。

これが本当に苦しかった。

しかも、
教えてもらう側から、
教える側になっていく。

去年まで、
自分が泣きそうになりながら
指導受けてたのに、

気づいたら、
一年生を見る立場になってた。

でも私は、
まだ自分のことで精一杯だった。

なのに周りは、
“できる側”
として扱ってくる。

私もまだ、
教えてほしいことたくさんある。

聞きたいこともたくさんある。

でも、
そんな空気じゃない。

『2年目なんだから知ってるよね』
って空気が、
ずっと苦しかった。

しかも2年目で、
私はお産を学ぶために
クリニックへ出向になった。

やっと。

やっと、
ずっとやりたかった
お産を学べる。

ここからいっぱい経験積んで、
助産師として頑張るんだって思ってた。

分娩介助入って、
赤ちゃん取り上げて、
『助産師になってよかった』
ってやっと思え始めてた。

すごく楽しかった。

分娩室の空気。
産声。
赤ちゃん抱いたお母さんの顔。

高校生の時、
『コウノドリ』見て憧れた世界が、
やっと現実になった気がした。

自分の病院に帰ってからも、
『この経験活かすんだ』
って思ってた。

でも違った。

いきなり、
コロナ病棟へ3ヶ月勤務。

防護服。
ゴーグル。
ピリピリした空気。

毎日変わる状況。

お産から、
一気に遠ざかった。

あんなに、
『お産したい』
って思って頑張ってきたのに。

毎日、
何してるんだろうって思ってた。

『私、助産師だよね…?』
って。

ナースステーション戻るたび、
自分だけ、
違う道に進んでる感覚だった。

しかもコロナって、
先が見えない。

終わりがわからない。

患者さんも苦しい。
家族も会えない。
現場も余裕ない。

みんなギリギリ。

あの頃の医療者、
たぶんみんな極限だったと思う。

でも私は、
だんだんわからなくなっていった。

『私のキャリアって何?』

って。

やっとお産学べると思ったのに、
現実は全然違う場所だった。

しかも、
コロナ病棟から戻ってきた時、
また苦しくなった。

コロナ病棟では、
重症患者を見てた。

毎日必死だった。

でも元の病棟戻った時、
思った。

『私、
ここでコロナ病棟の経験、
何も活かせなくない?』

って。

もちろん、
無駄じゃなかったと思う。

今ならわかる。
今ならね。

でも当時は、
そう思えなかった。

私は何のために
あそこ行ったんだろう。

何を頑張ってたんだろう。

周りは普通にお産取って、
経験積んで、
前に進んでるように見える。

同期の成長見るだけで、
置いていかれてる気持ちになった。

焦るのに、
体も心もついてこない。

そこから、
徐々に仕事に行けなくなった。

眠れない。

休みの日も、
仕事のことばっか考える。

動悸する。
涙出る。

仕事のこと考えた瞬間、
心臓バクバクする。

夜になると、
『また明日仕事か』
って急に涙出る。

でも、
休みたくなかった。

休職したら終わる気がしてた。

せっかくここまで頑張ったのに。
逃げたくなかった。

だから、
薬飲みながら働いてた。

薬の量は増えていった。

減ることはない。

薬飲まないと眠れない。
でも飲んだら朝しんどい。

それでも仕事行く。

精神科の先生も、
そんな私の気持ちを尊重してくれてた。

でも、
限界は近づいてた。

そして3年目。

プリセプターになった。

教える側。

でも私は、
人に教えられるほど、
完璧じゃなかった。

むしろ、
毎日必死だった。

しかも一年生も、
いろんな子がいる。

何言っても、
『怒られた』
って受け取られる。

どう伝えたらいいかわからない。

優しく言ってもダメ。
強く言ってもダメ。

プリセプターって、
技術教えるより、
メンタル削られる。

しかも一年生たちも、
どんどんしんどくなっていった。

休職。
異動。
退職。

続いていった。

その時、
師長さんに言われた。

『あなたたちの指導が悪い』

って。

その瞬間、
ぷつんって切れた。

ギリギリで繋いでた糸、
全部切れた感じだった。

薬飲みながら頑張って、
休職だけは避けたくて、
必死に働いてた。

でももう、
無理だった。

先生にも、
『休みなさい』
って言われた。

たぶん私は、
ずっと勘違いしてた。

一年目が一番しんどいって。

でも違った。

本当にしんどかったのは、
“自分以外を見ないといけなくなった時”
だった。

患者さん。
後輩。
病棟。
空気。
周り。

全部見ながら、
自分の心だけ置いていってた。

2年目3年目って、
できるようになったから苦しいんじゃない。

“できる人として扱われる”
のが苦しい。

だから今、
2年目3年目で苦しい人。

それ、
あなたが弱いんじゃない。

ちゃんと頑張ってきた人ほど、
そこ苦しくなる。