「できない側」だった私

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高校3年生の夏。

教室では、みんなが当たり前のように受験勉強をしていました。

「この長文むずくない?」
「英単語どこまで覚えた?」

そんな会話が周りから聞こえてくる。

でも私は、その輪に入れませんでした。

なぜなら私は、

一般動詞とbe動詞の違いすら、ちゃんと分かっていなかったからです。

問題集を開いても、何を書いているのか分からない。

周りはどんどん問題を解いていくのに、自分だけ止まっている感覚でした。

「なんでみんな普通にできるの?」

焦る気持ちだけが大きくなっていきました。

私はもともと勉強が得意ではありませんでした。
超がつくほど苦手。
中学の時から、両親にはテストのたびに怒られ、
やる気は削がれるばかり。
中学生の時は、受験期以外は勉強放棄でした。

こんなにも親にも怒られて、

「勉強する意味ってなに?」って感じでした。

高校時代は部活中心の生活。

朝から晩まで部活。
休みの日は土日どちらかは遠征。
帰るのは遅い。
帰ったらお風呂入って寝る。
それで1日が終わってました。

勉強より、部活に全部をかけていました。
バレーボール大好きだったから。

平日はほとんど部活。

OFFと言っても、筋トレなどはして帰る。

完全なOFFはあまりありませんでした。

でも、
助産師になりたいという夢だけは本気でした。

きっかけは、ドラマの コウノドリ 。

吉田羊さん演じる助産師さんを見た時、
「こんな助産師になりたい」
って心から思ったんです。

ドラマを見ながら泣いたのも覚えています。

それくらい、初めて
「絶対なりたい」
と思えた仕事でした。

でも、高校の先生に言われたことがあります。

「ドラマ見て助産師になりたいなんて、本当になれるの?」

その言葉、今でも忘れられません。

確かに私は勉強も得意じゃなかったし、成績も良くなかった。

それでも、
助産師になりたい気持ちだけは消えませんでした。

だから私は、
“できないなりに頑張る”
ことを決めました。

部活を引退して、本格的に勉強を始めた高校3年生の夏。

先生に言われたのは、

「まず中学英語からやり直そう」

でした。

正直、ショックでした。

周りは受験レベルの問題を解いているのに、自分は中学英語。

しかも、be動詞と一般動詞の違いでつまずいている。

恥ずかしかった。

情けなかった。

また同じこと繰り返しちゃうのかな。

「こんなんで助産師なんてなれるわけないやん」

そう思っていました。

単語を覚えるのにも時間がかかる。
文法もすぐ忘れる。
どこに何を使うのかもわからない。
みんなみたいにスラスラできない。

それでも、少しずつやるしかありませんでした。
必死に中学の単元を終わらして高校レベルに到達。
時間かかりました。
ちゃんと「理解できた」までは到達できず。

現実は甘くなくて、受験結果は全滅。
どこの学校も受かりませんでした。

結果発表は毎回、手を震わしながら
封筒を開けてました。
毎回結果を見たたび頭が真っ白になりました。

最後の学校の結果発表を見た時、
泣き崩れました。

「あぁ、終わった。私には無理なんだ。」

って思いました。

その時、高校受験に失敗した時のことが
フラッシュバックしました。

高校受験発表当日。結果を早く知りたくて、
電車に乗って合格発表へ向かいました。

もともと受ける前からギリギリだったんです。
でもどうしてもその高校に行きたかった。
なんとなく結果はわかってました。

「不合格」でした。番号なかった。

電車の中で、
「受かった!」
って喜んでいる子たちの声が聞こえる。

なんとなく分かってたけど、自然と涙が。
私は、母の隣でただ泣くことしかできませんでした。

母も泣いてる姿を見て、
悔しくて、情けなくて、
涙が止まりませんでした。

「合格」

その言葉を、最後に見たのはいつだったかなって。

私には縁のない言葉なんじゃないかって、本気で思っていました。

そんな私に、2月。

最後の望みをかけて、必死に受験勉強をしている中、
看護学校から補欠合格の連絡が届きました。

あの時のことは今でも忘れられません。

泣くくらい嬉しかった。

「やっと助産師になるスタートラインに立てた」

そう思いました。

あの時初めて、
“まだ夢を諦めなくていい”
って思えたんです。

看護学校に入ってからも、実習は基本ダメダメでした。

記録も遅い。
要領も悪い。
毎日必死。

周りの子と比べて落ち込むこともたくさんありました。

でも、そんな私でも、たまに指導者さんや先生に褒めてもらえることがありました。

「患者さんへの声かけ良かったよ」
「ちゃんと見れてたね」

その一言が、本当に嬉しかったんです。

“できないこと”ばかりに目が向いていたけど、
少しだけ、
「私にもできることがあるのかもしれない」
って思えました。

勉強が得意じゃなくても、
要領が良くなくても、
頑張れることはある。

あの小さな成功体験が、
「もう少し頑張ってみよう」
って思わせてくれました。

そして私は、最終的に助産師になることができました。

あの頃、
一般動詞とbe動詞の違いも分からなかった私がです。

もちろん、最初から順風満帆だったわけじゃありません。

でも、
“できないから無理”
ではなかった。

できないなりに、少しずつ進めばよかったんです。

私はこの経験から、

「勉強が苦手=夢を叶えられない」

ではないと感じています。

SNSを見ると、
頭のいい人、
要領のいい人ばかりに見えることがあります。

でも、本当に大事なのは、
“できない自分を諦めないこと”
でした。

だから今、

勉強についていけなくて苦しい人も、
周りと比べて落ち込んでいる人も、
「自分には無理かも」って思っている人も、

そこで夢を諦めないでほしいです。

できないところから始めても、ちゃんと前に進める。

一般動詞とbe動詞の違いも分からなかった私でも、
助産師になることができました。
だから次は、あなたの番です。